思春期は、人間としてまだ固まっていない、不安定な時期である。現実と理想とのギャップに悩み、将来の自分もハッキリ見えないから、ちょっとしたことで不安になり、自己愛も傷つきやすくなっている。何もせずに放っておくと、あっちこっちフラフラして、なかなか自分が定まっていかない。「それでいいじゃないか」という見方をする人もいる。自分で悩みながら、いずれはしっかりした自分を確立できる、という発達モデルを支持する人たちだ。しかし、フラフラしている時期だからこそ、課題を与えることでしっかりさせようという考え方もある。洛南や巣鴨などのスパルタ高校が、その考えに基づいて膨大な課題を生徒に与えているとは思えない。しかし、結果的に、厳しい課題を与えることで思春期に特有の不安定な心を支え、成功に導いているように見える。学校のカリキュラムからはずれたときも、「かわりの課題」を自分で見つけられれば、そこを出発点として自分を支えていくことは可能だ。しかし、それをやるのはけっこう勇気のいることだし、私の経験からいっても、たった一人では立ち向かえないという人がいて当然だと思う。