1998年の秋頃、3番目の子どもが学校を卒業し、子育てが一段落したので、私も働きに出ようと思いました。行田市のハローワークに行き、求職申込書を書きました。それを見た女性職員に、「中卒ですね」と言われました。最初は意味がわかりませんでした。「私の学歴って高校中退じゃないの?」。でも、高校中退という学歴はありません。私は「中卒」であることを、初めて自覚しました。「パソコンはできますか?」「できません……」「何か資格を持っていますか?」「いえ、何も……」「それじゃあ、あまり仕事はないと思いますけど、そちらに資料がありますから、見ていってください」求職リストに「中卒可」の仕事はほとんどありません。
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みんな高卒以上。そして中卒可のリストにあるのは、深夜労働か上木作業……。夜は働きに出られないし、この年になって穴堀りするのもきつい。「一生お父ちゃんのヒモだな」と思いました。世間では「学歴社会は終わった」なんて言いますが、ハローワークは完璧な学歴社会です。でも、このとき仕事を紹介されていたら、それで満足し、大家業を始めることはなかったと思います。人生ってまったく面白い。人間万事塞翁が馬ですね。つくづくそう思います。