昔の人の確かな美容知識なので、『医心方』のシミ対策には、「日に焼かない」というのは無い。「遠くに出かけた時、川の水で顔を洗ってはいけない。シミができる」という注意のほかは、主にできたあとのシミを消す方法が描かれている。例を挙げると、「白蜜と挟苓(サルノコシカケ科に属するきのこの菌核)を練り合わせたものを塗って、七日おく」「杏仁の皮を取って細かくすりつぶし、卵白で練りあわせたものを塗って、ひと晩してからふき去る」「桃をすりつぶして、ふるいにかけ、卵白と練りあわせて一日に四、一回、顔に塗る」「蜂の幼虫を酒に漬けて顔に塗る」などなど。侠苓は鎮静、利尿作用があり、漢方薬によく処方されている。杏仁はアンズの種の中にある白い部分で、咳を鎮める作用があり、やはり漢方薬によく使われる。杏仁豆腐でも有名で、メラニンを溶かす働きがあるそうだ。美白効果があるわけで、昔の人の知識が意外なまでに確かであることには、驚かされる。
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