近年、多くの先進国では「肥満」が原因となる病気が増えており、米国では糖尿病や脳疾患、心臓疾患など、肥満に起因する病気の医療費が総医療費の40%に達しています。日本でも、食生活やライフスタイルの欧米化か進むことによって、肥満者が増加。BMI体格指数)25以上の人口は、約二三〇〇万人(男性一三〇〇万人、女性一〇〇〇万人)に達しています。このうち約半数は高脂血症や高血圧症、糖尿病などの生活習慣病(成人病)を合併している「肥満症」で、この人たちは体重を減らすだけで、病気を改善することができます。他の半数は健康な人ですが、体重を減らすためのダイエットは、なかなかコントロールがむずかしいのが実状です。最近は各地の病院に「肥満専門外来」が設けられ、深刻な生活習慣病をかかえる中高年の患者に加え、自己流の過激なダイエットに失敗して、体調を崩した若い患者たちが増えています。現代では、短期間に簡単に体重が減ると宣伝するダイエット法があふれていますが、そうした過激なダイエットは、体脂肪だけでなく、筋肉冲骨量まで減らしてしまうものが多いのでお勧めできません。その結果、やせるというより。やつれて体調を崩すトラブルが頻発していますが、健全なダイエットの原則は、余分な体脂肪を適度に減らすことによって、筋肉や骨を損なうことなく、美しく健康的にやせることだということを忘れないようにしたいものです。とくに、女性の永遠の願望である。部分やせについては、余分な脂肪を取り除く外科手術まで行われてきましたが、健康的に美しく部分的にやせたいという人の夢はなかなか実現しませんでした。京都府立医科大学教授の研究によれば、日本人にはエネルギーを効率良く貯める、「倹約遺伝子」を持つ人が多いので、太りやすく、痩せやすい遺伝子を持つ人が少ないそうです。